何となく胃や腸の調子が悪いようだ――。
ふとそんな風に思ったことをきっかけにして、体の疲れやストレスの蓄積、かぜ気味なことを自覚することはありませんか?
胃や腸は比較的早い段階で、何らかの症状をだして私たちに身体の異常を知らせてくれる器官です。
そのシグナルに気づいたら、早めに胃腸を労わってあげましょう。
この一番内側で食物と接する粘膜層からいわゆる胃液が分泌されています
胃の不調が起こる時は、胃液のなかの胃酸の分泌と粘液のバランスが乱れたときに起こります。
胃の不調で感じやすいものといえば、吐き気や胃痛、胃もたれ、食欲不振などでしょう。
胃痛や食欲不振は、自律神経との関わりが深いものです。特に、ストレスがかかると、自律神経の乱れが起こりやすくなります。
胃痛の場合は、胃液の分泌をコントロールしている自律神経の乱れによって、胃液のバランスが崩れて胃酸が多く分泌されます。胃の壁を守る粘液が減ってしまうと、粘膜層に炎症が起こり痛みが生じるのです。この状態を急性胃炎といい、ストレスなどの原因を放置しつづけると、慢性胃炎や、胃の層に傷がつく胃潰瘍にもなりかねません。
けれども粘膜層に炎症を起こす原因は、ストレスだけではありません。刺激の強い食べ物などでも起こります。
<便秘>
便秘は、昨年、日本消化器学会関連研究会、慢性便秘の診断・治療研究会作成のガイドラインによって「本来体外に排出すべき糞便を充分量かつ快適に排出できない状態」と定義されました。
また、一般的には3日以上排便がない状態を便秘ととらえることが多いようです。
便秘の原因にはこんなことが考えられます。
①大腸のなかで便を運ぶ働き(ぜんどう運動)が弱い。このため大腸内での便の移動に時間がかかり、水分が吸収されすぎて便が固くなってスムーズに排出できないタイプ。
②自律神経の乱れによって、腸内が緊張して痙攣する部位が生じるため、便がスムーズに運ばれず、コロコロしたウサギの糞状の便が出るタイプ。
③便意を感じても、肛門の周りの筋肉がうまく動かなかったり、いきむ力が足りず便が出にくいタイプ。
④消化器の病気の症状や、ある種の薬の副作用として便秘が起こるタイプ(この場合は、かかりつけ医や薬剤師から予め説明があります)。
<下痢>
腸の動きが正常な場合は、適度な速度でぜんどう運動が行なわれ、便の元は水分を吸収されながら段々固形になっていきます。しかし、何らかの原因でぜんどう運動のバランスが乱れ、便の元が送られるスピードが上がると、水分が充分吸収されないまま排出されるため、下痢となります。
この原因は、水分やアルコールの過剰摂取、大食い、刺激物の大量摂取、ウイルス性腸炎、ストレスによる自律神経の乱れ、病気によるものなどが考えられます。
◆胃の調子を良好に保つ……食事の内容は非常に重要です。辛いもの冷たいものなどの刺激物を多く摂ると、胃の壁を荒しますし、腸の不調にもつながります。また、油っこいものは胃の滞在時間を延ばし、胃の負担となります。胃腸の調子の悪いときは特に、ラーメンよりうどんを食べるなど、消化活動に負担をかけないものを食べるよう心がけましょう。
ストレスは自律神経を乱し、胃の不調を引き起こします。ストレスを発散できる場合は問題ないですが、自分ひとりでは解決するのは難しいこともあります。胃の症状がひどいときはまず内科を受診しましょう。その後心療内科を受診するのもひとつの方法です。
また、胃の調子が悪くなりやすい人は、一度ピロリ菌検査を行ってください。
◆腸の調子を良好に保つ……腸のぜんどう運動を促進するには、適度な運動が有効です。毎日目標を決めて歩く習慣をつけましょう。
また、水分摂取が少ない場合もあります。朝起きた時、毎食後、寝る前などコップ1杯の水か白湯を飲むといいでしょう。
ふとそんな風に思ったことをきっかけにして、体の疲れやストレスの蓄積、かぜ気味なことを自覚することはありませんか?
胃や腸は比較的早い段階で、何らかの症状をだして私たちに身体の異常を知らせてくれる器官です。
そのシグナルに気づいたら、早めに胃腸を労わってあげましょう。
胃腸の不調
胃の壁は3層で成っています。外側からしょう膜、筋層、粘膜層です。この一番内側で食物と接する粘膜層からいわゆる胃液が分泌されています
胃の不調が起こる時は、胃液のなかの胃酸の分泌と粘液のバランスが乱れたときに起こります。
胃の不調で感じやすいものといえば、吐き気や胃痛、胃もたれ、食欲不振などでしょう。
胃痛や食欲不振は、自律神経との関わりが深いものです。特に、ストレスがかかると、自律神経の乱れが起こりやすくなります。
胃痛の場合は、胃液の分泌をコントロールしている自律神経の乱れによって、胃液のバランスが崩れて胃酸が多く分泌されます。胃の壁を守る粘液が減ってしまうと、粘膜層に炎症が起こり痛みが生じるのです。この状態を急性胃炎といい、ストレスなどの原因を放置しつづけると、慢性胃炎や、胃の層に傷がつく胃潰瘍にもなりかねません。
けれども粘膜層に炎症を起こす原因は、ストレスだけではありません。刺激の強い食べ物などでも起こります。
腸の不調
腸の不調といえば、便秘と下痢でしょう。<便秘>
便秘は、昨年、日本消化器学会関連研究会、慢性便秘の診断・治療研究会作成のガイドラインによって「本来体外に排出すべき糞便を充分量かつ快適に排出できない状態」と定義されました。
また、一般的には3日以上排便がない状態を便秘ととらえることが多いようです。
便秘の原因にはこんなことが考えられます。
①大腸のなかで便を運ぶ働き(ぜんどう運動)が弱い。このため大腸内での便の移動に時間がかかり、水分が吸収されすぎて便が固くなってスムーズに排出できないタイプ。
②自律神経の乱れによって、腸内が緊張して痙攣する部位が生じるため、便がスムーズに運ばれず、コロコロしたウサギの糞状の便が出るタイプ。
③便意を感じても、肛門の周りの筋肉がうまく動かなかったり、いきむ力が足りず便が出にくいタイプ。
④消化器の病気の症状や、ある種の薬の副作用として便秘が起こるタイプ(この場合は、かかりつけ医や薬剤師から予め説明があります)。
<下痢>
腸の動きが正常な場合は、適度な速度でぜんどう運動が行なわれ、便の元は水分を吸収されながら段々固形になっていきます。しかし、何らかの原因でぜんどう運動のバランスが乱れ、便の元が送られるスピードが上がると、水分が充分吸収されないまま排出されるため、下痢となります。
この原因は、水分やアルコールの過剰摂取、大食い、刺激物の大量摂取、ウイルス性腸炎、ストレスによる自律神経の乱れ、病気によるものなどが考えられます。
胃腸の調子を整える
胃も腸も1本につながった消化管ですから、胃の調子を崩せば、腸にも影響がでることは多々ありえます。健康な胃腸を保つためにはどうすればよいでしょうか。◆胃の調子を良好に保つ……食事の内容は非常に重要です。辛いもの冷たいものなどの刺激物を多く摂ると、胃の壁を荒しますし、腸の不調にもつながります。また、油っこいものは胃の滞在時間を延ばし、胃の負担となります。胃腸の調子の悪いときは特に、ラーメンよりうどんを食べるなど、消化活動に負担をかけないものを食べるよう心がけましょう。
ストレスは自律神経を乱し、胃の不調を引き起こします。ストレスを発散できる場合は問題ないですが、自分ひとりでは解決するのは難しいこともあります。胃の症状がひどいときはまず内科を受診しましょう。その後心療内科を受診するのもひとつの方法です。
また、胃の調子が悪くなりやすい人は、一度ピロリ菌検査を行ってください。
◆腸の調子を良好に保つ……腸のぜんどう運動を促進するには、適度な運動が有効です。毎日目標を決めて歩く習慣をつけましょう。
また、水分摂取が少ない場合もあります。朝起きた時、毎食後、寝る前などコップ1杯の水か白湯を飲むといいでしょう。
冷えも下痢の原因となりますから、ひざかけなど、お腹周りを温かくしましょう。
それから、腸内環境を整えることも大切です。町内には100種類以上、600兆個もの細菌が生息しています。それを顕微鏡で見ると、まるであちこちで花が群生しているようで腸内フローラ(お花畑)と呼ばれています。
腸内フローラの構成は人によって違いますが、フローラには3タイプの菌があることがわかっています。
腸の運動を促したりよい作用をする善玉菌。腸内で有害物質を作る悪玉菌。どちらでもなく、優勢な方に同調する日和見菌。
この割合が、2:1:7になっているのが理想の形です。
普段、お腹の調子を崩しやすい人は、発酵食品や乳酸菌などを含む飲料を取り入れるのもよいかもしれません。
胃腸の症状には重篤な疾患から発症している場合もあります。いつもと胃腸や便の様子がおかしい場合はかかりつけ医を受診してください。定期健診を受けることも大切です。