慢性腎臓病
慢性腎臓病(CKD)という疾患をご存じでしょうか。 今や成人の8人に1人はこの病気に当てはまるといいます。 慢性腎臓病は生活習慣病をはじめ、様々な要因から腎臓の機能が落ちて発症するものです。 今回は慢性腎臓病について詳しくみていきましょう。そもそも腎臓はどんな臓器?
腎臓が2つあるのはご存じでしょう。腎臓は背骨を挟んで左右ひとつずつあります。 場所は腰のあたりで、にぎりこぶし大の臓器です。 体内を巡った血液は、この腎臓を通ることで老廃物や余分な水分をろ過します。 そのろ過は、それぞれの腎臓内に100万個以上あるネフロンという組織で行なわれます。 ネフロンは、糸球体とそれを包むボウマンのう、尿細管で構成されています。 これらによって血液から分離された老廃物と余分な水分は、 尿として尿管を通って膀こうに運ばれ、体外に排出されます。 こうして私たちの身体はきれいな血液を常に巡らすことができるのです。慢性腎臓病って何?
何らかの原因、もしくは何らかの基礎疾患によって腎臓に関わる検査の値に異常がでたとします。この腎臓の機能が下がっている状態が3か月以上続くと、その人は「慢性腎臓病である」ということになります。では慢性腎臓病はどのような検査によってわかるのでしょうか。慢性腎臓病の診断
腎臓の機能の低下は次の2つの検査によって知ることができます。 ・尿検査で、たんぱく尿が2+以上や血尿がある。 ・血液検査で血清クレアチニンの値が基準値以上の場合。2.0mg/dlくらい。 〈血清クレアチニン値の基準値〉 男性 0.65~1.09mg/dl 女性 0.46~0.82mg/dlこの2つの検査で異常値がでてそれが3か月以上続く場合は、腎臓の機能が低下している可能性があり慢性腎臓病と診断されます。さらに、腎臓がどの程度働いているかは「推算糸球体ろ過値(eGFR)」で診断します。eGFRはクレアチニン値、性別、年齢から推測することができます。この結果によって、慢性腎臓病の進行度がわかります。