私たちの生命活動に欠かせない「呼吸」。呼吸で取り入れた新しい酸素と体内の二酸化炭素を交換する器官が肺です。この大切な器官に炎症が起きて、十全に機能できなくなると、呼吸困難を起こしたり、高齢者では、急性期の死因のトップです。肺炎は早期発見が非常に大切です。
一方、肺炎はもっと深いところ、肺胞に炎症が起こるものでかぜより重症です。かぜだと思いそのままにしていたら、2週間たっても咳がおさまらない。医療機関を受診したら実は肺炎だったというケースも少なくありません。
肺炎には、微熱しか出ないものもあります。
2週間以上、咳や微熱が続く場合は、肺炎や肺の病気の可能性もありますので、早急に受診をしましょう。
『細菌性肺炎』
●肺炎球菌性肺炎
肺炎の4割を占めるのが、肺炎球菌による肺炎球菌性肺炎です。肺炎球菌は乳幼児の鼻や喉の奥に常在菌として存在することが多く、大人の保菌者が約5%以下なのに対して、乳幼児の30~50%が保菌している可能性があるといわれています。
しかし菌があっても乳幼児が発症しやすいわけではなく、発症者の多くは高齢の方です。肺炎球菌は飛沫感染・接触感染します。乳幼児の咳やくしゃみで感染が広がり(感染しても発症するとは限らない)、免疫力の低い高齢者が発症する場合が多いようです。
肺炎は表のような症状がでますが、高齢者の場合は、はっきりと症状が表れにくいこともあります。食欲や元気がない、おかしなことを言うといった症状があったら、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。
肺炎と診断されたら、入院して治療が行なわれるケースも少なくありません。
65歳以上の方には、自治体より肺炎球菌ワクチンの公費助成による接種の案内が定められた年に届くことになっています。
●レジオネラ肺炎
レジオネラ菌は自然界に存在する細菌です。循環型の温泉や腐葉土の取扱いなかに、湯気や土ぼこりを吸い込んで発症することがあります。また、家庭内の加湿器などにも繁殖することがあるため、清潔に保つ必要があります。レジオネラ肺炎は進行が早く、また症状も重いため、すぐに医療機関を受診しましょう。人から人にうつることはありません。
●誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、高齢になるほど多くなる肺炎で、寝ている間に口内に含まれる細菌が唾液とともに気管から肺に入ってしまい、炎症を起こすものです。主に寝たきりの方が発症しやすく、免疫力が落ちている場合、亡くなる原因に繋がることも多い肺炎です。
在宅介護では、二の次になりがちですが、食後の口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防にとても重要です。
『ウイルス性肺炎』
ウイルス性肺炎は、インフルエンザや麻疹(はしか)など、ウイルス性の病気にかかった際に、肺にまでウイルスがが及び炎症を起こすものです。高熱や激しい咳がでます。
第一の予防は、インフルエンザや、麻疹・風疹にかからないよう予防接種を受けておくことです。麻疹や風疹はオフシーズンに当たる今のうちに予防接種を受けておけば、流行時に安心です。
『非定形型肺炎』
●マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマは、自己繁殖する微生物です。数年ごとに流行する肺炎です。飛沫感染・接触感染により、7~8歳の子どもをピークとして、若い年代の発症率が高い肺炎です。激しい咳が特徴で、熱はそれほど高くなりません。入院を要する場合もありますので、必ず受診させましょう。
呼吸器と肺
酸素を取り込む口・鼻から、肺に至るまでの器官を総称して「呼吸器」といいます。呼吸器の末端に位置する肺は、内部がブドウの房のように無数の袋状の組織=肺胞でできています。肺胞に張り巡らされた毛細血管のなかで、酸素と二酸化炭素の交換が行なわれます。この肺胞やその壁に炎症がおきるのが肺炎です(図参照)。かぜと思ったら実は…
かぜは呼吸器の上気道に炎症が起こるもので、ほとんどの方が経験されていると思います。一方、肺炎はもっと深いところ、肺胞に炎症が起こるものでかぜより重症です。かぜだと思いそのままにしていたら、2週間たっても咳がおさまらない。医療機関を受診したら実は肺炎だったというケースも少なくありません。
肺炎には、微熱しか出ないものもあります。
2週間以上、咳や微熱が続く場合は、肺炎や肺の病気の可能性もありますので、早急に受診をしましょう。
肺炎の種類
肺炎は、次の3種類に分類されます。『細菌性肺炎』
●肺炎球菌性肺炎
肺炎の4割を占めるのが、肺炎球菌による肺炎球菌性肺炎です。肺炎球菌は乳幼児の鼻や喉の奥に常在菌として存在することが多く、大人の保菌者が約5%以下なのに対して、乳幼児の30~50%が保菌している可能性があるといわれています。
しかし菌があっても乳幼児が発症しやすいわけではなく、発症者の多くは高齢の方です。肺炎球菌は飛沫感染・接触感染します。乳幼児の咳やくしゃみで感染が広がり(感染しても発症するとは限らない)、免疫力の低い高齢者が発症する場合が多いようです。
肺炎は表のような症状がでますが、高齢者の場合は、はっきりと症状が表れにくいこともあります。食欲や元気がない、おかしなことを言うといった症状があったら、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。
肺炎と診断されたら、入院して治療が行なわれるケースも少なくありません。
65歳以上の方には、自治体より肺炎球菌ワクチンの公費助成による接種の案内が定められた年に届くことになっています。
●レジオネラ肺炎
レジオネラ菌は自然界に存在する細菌です。循環型の温泉や腐葉土の取扱いなかに、湯気や土ぼこりを吸い込んで発症することがあります。また、家庭内の加湿器などにも繁殖することがあるため、清潔に保つ必要があります。レジオネラ肺炎は進行が早く、また症状も重いため、すぐに医療機関を受診しましょう。人から人にうつることはありません。
●誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、高齢になるほど多くなる肺炎で、寝ている間に口内に含まれる細菌が唾液とともに気管から肺に入ってしまい、炎症を起こすものです。主に寝たきりの方が発症しやすく、免疫力が落ちている場合、亡くなる原因に繋がることも多い肺炎です。
在宅介護では、二の次になりがちですが、食後の口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防にとても重要です。
『ウイルス性肺炎』
ウイルス性肺炎は、インフルエンザや麻疹(はしか)など、ウイルス性の病気にかかった際に、肺にまでウイルスがが及び炎症を起こすものです。高熱や激しい咳がでます。
第一の予防は、インフルエンザや、麻疹・風疹にかからないよう予防接種を受けておくことです。麻疹や風疹はオフシーズンに当たる今のうちに予防接種を受けておけば、流行時に安心です。
『非定形型肺炎』
●マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマは、自己繁殖する微生物です。数年ごとに流行する肺炎です。飛沫感染・接触感染により、7~8歳の子どもをピークとして、若い年代の発症率が高い肺炎です。激しい咳が特徴で、熱はそれほど高くなりません。入院を要する場合もありますので、必ず受診させましょう。