昨シーズンはサブクレードKが流行
昨シーズン(2025-2026年)の季節性インフルエンザでは、A型インフルエンザH3N2亜型(A香港型)から派生した新しい変異株「サブクレードK」の流行が見られました。サブクレードKは、ウイルス表面のHA(スパイクタンパク質のひとつ)に糖鎖が付加される変化が起こっており、これまでに獲得した抗体から逃れやすくなったと考えられています。
このため、このような抗原性の変化などにより、昨シーズンは、例年より早い時期から流行が拡大しました。
東京都などでは、16年ぶりとなる九月中の「インフルエンザ警報」の発令といった事態に発展しました。
さらに年明けからは、B型(ビクトリア系統)の流行が始まったため、サブクレードKの症状が治ったあと、B型にも感染するというケースも見られました。
今シーズンは早くも流行が始まる
東京都などでは、2026年8月にインフルエンザの流行が始まりました。今シーズンも早期からの流行に注意が必要です。インフルエンザの流行が早まった背景には、海外での流行状況や人の移動など、さまざまな要因が影響していると考えられています。
サブクレードKは昨シーズンに続き、今年の6~8月にも、南半球で流行が見られました。こうしたことも、インフルエンザの流行が早くなったことに影響している可能性があります。
ワクチンの製造株も更新
今シーズン(2026-2027年)のインフルエンザワクチンは、昨シーズンの流行状況や、今シーズンの流行予測を考慮して、ワクチンに使用する3種類の推奨株が、すべて変更されました。A型インフルエンザH3N2亜型では、サブクレードKに属するウイルスを踏まえた株が選定されました。
また、H1N1やB型(ビクトリア系統)についても、流行しているウイルスの変化を踏まえて製造株が更新されています。
ワクチンには2つのタイプ
インフルエンザワクチンには、特徴や接種方法、回数、対象年齢などによって、2種類があります。○不活化HAワクチン
特徴: 国内でもっとも多く接種されている標準的なワクチン。不活化(ウイルスとしての働きをなくし、免疫をつくるのに必要な成分を利用する)したワクチンを使用する。
接種方法: 皮下注射。
接種回数: 13歳未満は2回。13歳以上は原則1回。
対象年齢: 生後6か月以上の方すべて。
○経鼻弱毒生ワクチン
特徴: 弱毒化したウイルスを使用して、鼻粘膜と全身に免疫を誘導する。
接種方法: 左右の鼻腔内に1回ずつ噴霧する。
接種回数: 1回
対象年齢: 2歳以上12歳未満。
【注意】 高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ筋注」は、2026-2027年シーズンの定期接種への導入が見送られています。

重症化を防ぐために、早めの接種を
インフルエンザワクチンには、発症をある程度抑えるとともに、重症化を防ぐ効果が期待されています。65歳以上の方、基礎疾患がある方、妊娠中の方、免疫機能が発達段階にある乳幼児など、インフルエンザ感染による重症化リスクの高い方には、とくにワクチンの接種が推奨されています。
定期接種は、毎年秋冬に行なわれます。接種を開始する時期は医療機関によって異なるため、早めに確認しましょう。
ワクチンを接種後、十分な免疫ができるまでには一般に約2週間かかります。
流行が始まる前に接種を受けることが大切です。接種時期については、流行状況やワクチンの供給状況などを踏まえ、医師に相談しましょう。
【注意】 37.5℃以上の発熱がある方や、急性疾患にかかっている方、ワクチンの成分で重いアレルギー反応を起こしたことがある方などは、接種できないことがあります。持病やアレルギーなどがある方は、接種前に医師に相談しましょう。
