2024~2025年シーズンの状況
2024年12月23日~29日の約1週間で、インフルエンザの患者数が31万人を超えました。これは、1999年以降で最多となる数字でした。その後、2025年1月6日~12日の発表でも、インフルエンザの患者数は2019年以来6年ぶりの高水準となりました。
インフルエンザの感染が広がるなか、多くの地域でインフルエンザ警報が発令されました。
この時期、高熱で救急搬送される人が増え、救急医療の現場がひっ迫するといった事態が起きました。
また、インフルエンザ治療薬、せき止め薬、痰切り薬といった薬の供給量が不足するといったこともありました。
消化器症状にも注意を
インフルエンザの症状では、38℃以上の高熱に加え、頭痛、悪寒、関節痛、筋肉痛などが代表的です。昨年末~今年始めの感染拡大ではこれらの症状に加え、嘔吐や下痢、腹痛といった消化器症状を訴える患者が多く見られたことも特筆すべき点でした。
A型「新型インフルエンザH1N1型(A(H1N1)pdm09型)」やB型では、消化器症状がよく見られます。
通常、A型の流行のピークが過ぎた頃に、B型の流行が始まります。しかし今年の初めは、A型がピークアウトするまえにB型も流行するということが起こりました。消化器症状を訴える患者の増加は、こうしたことも関係しています。
個人でできる感染対策
個人的な感染対策としては、新型コロナ対策として行なった「3密を避ける」「マスクの着用(せきエチケット)」「手洗い・手指消毒」「こまめな換気」などは、インフルエンザ予防にも効果があります。インフルエンザの流行が、空気が乾燥する冬季にあたるため、「部屋の加湿」にも注意を向けるようにしましょう。
ワクチン接種で感染・重症化を防ぐ
インフルエンザの重症化を防ぐには、ワクチン接種が大きな抑止力になります。65歳以上の方は、定期接種として公費(一部自己負担あり)でワクチン接種を受けられます。
インフルエンザが流行する前、10~11月の接種が勧められています。
また、インフルエンザに感染する人の約半数は14歳以下となっています。
2歳~19歳未満の人は、鼻の粘膜にスプレーすることで用いるインフルエンザワクチンもあります。
症状か出てから48時間以内に
インフルエンザが疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。インフルエンザと診断された場合は、抗インフルエンザ薬が使用されます。
抗インフルエンザ薬は、症状が現れてから48時間以内に使用を開始することが重要になります。この時間を超えると、ウイルスの増殖を抑えることが難しくなるためです。
