インフルエンザが流行する前に ワクチンの接種で発症・重症化を防ぐ

インフルエンザの発症・重症化を防ぐにはもっとも効果的とされる予防ワクチンの接種が10月中旬から始まります。インフルエンザワクチンは、毎年、新たに接種を行なう必要があります。

2017-18年シーズンのインフルエンザ

2017-2018年シーズン(昨年から今年の春)のインフルエンザは、受診者数の数において、近年ではもっとも大きな流行となりました。また、A型とB型が混在して流行するという、例年にない特徴もありました。インフルエンザのB型は、おもに胃腸炎を引き起こすウイルスです。インフルエンザウイルスによる胃腸炎は、症状が長引くことも多く、苦しい思いをされた方もいらっしゃるでしょう。かつてインフルエンザのB型は、一年おきに流行するとされていました。しかし近年では、B型インフルエンザも毎年流行する傾向にあります。今シーズンも十分な注意が必要です。

インフルエンザから身体を守るには

インフルエンザ予防の基本は、まず身体の健康に気をつけて、免疫力を高く保つことです。これによってウイルスに感染しても、発症や重症化を避けることができます。同時に、マスクの着用、手洗い・うがいの習慣化といったことも推奨されています。そのうえで、インフルエンザから身体を守るもっとも有効な方法としては、インフルエンザワクチンの接種があげられます。研究によると、65歳以上の健康な高齢者については、約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。また、65歳未満の成人でも、健康状態がよい人の場合、70~90%の発症予防効果があるといった報告もありました。


インフルエンザワクチンの接種を

日本では、毎年12月~3月がインフルエンザの流行期にあたります。この期間をカバーするため、インフルエンザワクチンは、10月中旬から12月上旬までに接種することが勧められています。これは、インフルエンザワクチンの有効期間が約5か月だからです。インフルエンザワクチンの接種は、ごく一部の場合を除いて、すべての人が受けられます。なかでも、次のような条件に当てはまる人には、特にワクチンの接種をお勧めします。


(1) 65歳以上のすべての方。
(2) 60~64歳で、呼吸器、心臓、腎臓、免疫のいずれかに障害がある。
(3) 糖尿病を患っている。
(4) 集団感染する可能性が高い、児童・学生。
(5) 生後6か月以上の乳幼児。
インフルエンザによる死亡者の90%近くは、65歳以上の方です。かかりつけ医と相談のうえ、ぜひ、予防接種を受けるようにしてください。

インフルエンザの発症が疑われるとき

現在は、インフルエンザウイルスの有無を短時間で調べることができ、ウイルスに直接作用する薬も開発され、とても効果的な治療が可能です。インフルエンザ治療薬は、発症から48時間以内に服用することが推奨されています。48時間を過ぎると、体内のインフルエンザウイルスが増え過ぎてしまい、治療薬が、十分な効果を発揮できない場合もあるためです。インフルエンザが疑われる場合は、早急に医療機関を受診するようにしましょう。