今シーズンもしっかりとした感染対策を!-インフルエンザ-

インフルエンザは例年、冬から春に流行します。日本国内での感染者は、推定で約1000万人とされ、死亡者数も(インフルエンザが関係していると考えられる人を含めて)約1万人とされています。
インフルエンザの流行期を迎えるにあたって、どのような感染対策が必要でしょうか?

インフルエンザの流行———昨シーズン

 2020-21年は、インフルエンザの流行に関して特筆すべきシーズンとなりました。理由はまだ、はっきりとはしていませんが、インフルエンザの流行がほとんど見られなかったのです。
 昨年以来、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「飛沫感染」や「接触感染」という言葉が一般的になりました。インフルエンザウイルスの構造は新型コロナウイルスと似ていて、ウイルスの感染は飛沫と接触によって起こります。
 こうしたことから専門家の意見としてもっとも有力視されているのが、新型コロナに対する感染対策(マスクの着用・手洗いの励行・三密を避ける)が、結果的にインフルエンザの感染対策にも繋がったのではないかというものです。
 さらに昨年は、インフルエンザと新型コロナの二重感染を避けるため、インフルエンザワクチンの接種率があがったことも、よい結果を及ぼしたと考えられています。

今シーズンのインフルエンザの流行は?

 2021-22シーズンのインフルエンザの流行はどうなるでしょうか?
 現状では確定的なことはわかりませんが、いくつか気がかりなことがあります。
 その一つは、新型コロナの感染者減少にともない、行動制限が緩和されたことです。このことはとても喜ばしいことですが、その一方で、昨年よりも感染対策が疎かになってしまう恐れがあります。
 もう一つは、昨年は見られなかった「RSウイルス感染症」の流行が今年はあったことです。
 この感染症は子どもに多い病気です。昨年はコロナによって子ども同士の接触機会が減り、RSウイルスに対する免疫を持つ子どもが減少してしまったのではないか?それが逆に、今年の流行を引き起こしたのではないか?と専門家は指摘しています。
 「免疫を持つ人の減少による感染症の流行」———こうしたことは、インフルエンザでも起こる恐れがあります。

今シーズンもインフルエンザ対策を

 インフルエンザに対する備えとしては、まずはワクチン接種があげられます。
 インフルエンザワクチンの免疫効果は約半年。とくにインフルエンザの重症化リスクが高い65歳以上の方や持病のある方、妊婦の方や乳幼児は、ワクチン接種を検討してください。
 インフルエンザに罹ってしまった場合———発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、せき、鼻水といったインフルエンザの症状は、新型コロナの症状と似ています。
 インフルエンザの場合は、特効薬が存在します。ただ、治療薬の効果が高いのは、発症から48時間以内です。症状がある場合は、早急にかかりつけ医に電話して相談してください。