脂質異常症
脂質異常症の患者は、日本では200万人を超えています。男女の比率でみると、男性約59万人・女性約146万人。このことから、脂質異常症は女性の発症が多いことがわかります。 さらに、脂質異常症の予備軍とされる潜在的な患者数は男女合わせて3200万人いるとされ、その数は増加傾向にあります。とくに、心配なのは中年期から高齢期の女性で、50歳を過ぎた女性の2人に一人が脂質異常症の状態にあるともいわれています。脂質異常症の原因は食生活
日本人の死因の多くを占めるのは、脳梗塞や心筋梗塞をはじめとする、血管の詰まり(梗塞)が原因となって起こる病気です。こうした血管の詰まりを引き起こす要因の一つが、「脂質異常症」です。 脂質異常症は、コレステロールや中性脂肪といった脂質が血液中に増え過ぎた状態のことをいいます。血液中の過剰な脂質はやがて動脈に付着して硬化を引き起こし、血管を詰まらせてしまうのです。 血液中に脂質が増える原因の多くは食生活にあります。肉の脂身や卵・乳製品、アルコールや清涼飲料、ファストフードやインスタント食品……。こうした食品の過剰摂取で肥満が進行している場合は、脂質異常症に対する十分な注意が必要です。血液検査によって脂質異常症を発見する
脂質異常症を早期に発見して重篤な合併症を防ぎたいところですが、脂質異常症には目立った自覚症状がありません。このため定期的に健康診断を受けて、血液検査によって脂質異常症を発見する必要があります。 血液検査では、血液中の「LDLコレステロール値」と「TG(トリグリセライド)値」の測定によって脂質異常症かどうかを判断します。LDLコレステロール値……140mg/dl以上
TG値……150mg/dl以上
この二つの数字を上回っていると、すでに脂質異常症になっている可能性があります。(※この数値は他に病気がない場合の基準値で、糖尿病や高血圧症といった病気がすでにある場合は、基準値を下回っていても脂質異常症と診断されることがあります。)