インフルエンザの流行に備える

インフルエンザの季節

秋から冬へ、それはインフルエンザの季節でもあります。インフルエンザウイルスは湿気に弱いのですが、日本では、冬になると湿度が下がって空気が乾燥するため、インフルエンザが流行しやすくなります。 インフルエンザは、飛沫感染によって広がります。飛沫感染は、咳やくしゃみによって排出されたウイルスが、空気に乗って広がり、その空気中のインフルエンザウイルスを吸い込むことによって引き起こされる感染症です。 インフルエンザはいわゆるかぜとは違って、発熱・頭痛・関節痛などの全身症状が強く現われます。抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると、肺炎や脳症などを引き起こし、重症化するおそれがあります。

インフルエンザの特徴

▼感染経路→主に飛沫感染。咳・くしゃみなどに注意。
▼症状→発症時には急激に38度以上の高熱が出る。続いて頭痛、悪寒、関節痛、などの全身症状。また、咳、痰、呼吸困難、腹痛、下痢などの症状。……など。
▼療養期間→約1週間。第2種の感染症に定められており、発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで出席停止とされている(医師が感染の恐れがないと認めたなら、この限りでない)。
一般的に免疫機能は体温が下がると低下するため、冬になって気温とともに体温も下がる傾向になると、抵抗力も落ちやすくなります。要注意の季節です。

新型インフルエンザの流行に備える

ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、大きく分けてA型・B型・C型の3種類。現在はA型とB型が、流行の中心となっています。 症状が重く、死に至るようなこともあるのはA型。感染力も強く、パンデミック(大流行)を起こすこともあります。 限られた地域で流行することが多いB型は、A型よりも症状は比較的軽く、また、C型も鼻かぜ程度の症状ですむことが多いようです。

予防対策はどうする?

予防対策としては、まず、「手洗い・うがいを徹底」して、ウイルスを体内に入れないこと。 また、過労、ストレス、不規則な食事や睡眠は体調を崩すもと。栄養バランスのいい食事をきちんと摂り、十分な睡眠で、ウイルスに負けない身体をつくり、対抗しましょう。 そして何よりの対策は予防接種を受けること。行政もワクチンの接種を推奨しています。ワクチンの接種は流行シーズンを迎える前の、11月ごろに受けるとよいでしょう。1回または2回かは、医師と相談して決めます。効果が現われるのはおよそ2週間後から。その後、効果は約5か月間、持続するとされています。

インフルエンザにかかってしまったら

もしインフルエンザにかかってしまったら、できるだけ安静にして、栄養と十分な睡眠を取りましょう。また、水やお茶、スープ、ジュースなど、飲みやすいもので水分を十分に補ってください。さらに、ウイルスの空気中での活動を抑え感染を防ぐために、加湿器で室内の湿度を50~60%に保つとよいでしょう。 薬については現在、イナビルやタミフル、リレンザといった、インフルエンザ治療に高い効果を持った薬があります。ただしこれらの薬は発症後48時間以内に服用する必要があります。薬の服用の仕方については、かかりつけ医の指示に従ってください。 いただいたお薬をきちんと飲んで、安静と休養、さらには十分な睡眠と栄養をとって、早くよくなってくださいね!